corporate social responsibilityCSR
井原水産のビジョン
- 日本の食文化を守り、食を通じてお客様の健康に寄与します。
- 気候変動や生物多様性などの環境問題、地域社会への貢献に積極的に取り組みます。
- 持続可能な『食』の資源調達を通じて、グローバルに成長を続ける企業を目指します。
CSR活動3つの柱
PILLAR01
地球環境に配慮し、
環境負荷を低減
環境を育てるヤマニの森林
当社では、留萌市近郊にある4.23ヘクタールの国有林に、トドマツを主にミズナラ、マカバなどを植林しています。
この「ヤマニの森林」と名付けられた森林地帯は、実は陸の環境だけではなく、魚のエサとなる海藻やプランクトンの生成に不可欠な鉄分を、山から河川を通じて海へ供給しています。
ニシンが日本海の漁場から姿を消したのは、乱獲だけではなく、台風の影響で泥が川から海に流れて堆積し、海藻の生えた魚卵礁が消えてしまったからでは……。
そのような観点から、林野庁の「法人の森林制度」に全国初の漁業関連企業として参加しました。
-人と自然と産業の調和を目指す-
「ヤマニの森林」にはそんな想いが込められています。
法人の森林による環境貢献度
測定項目・評価項目 | 年間効果 評価額(千円) |
物量 |
---|---|---|
水源かん養便益(※1) | ||
洪水防止便益 | 250 | 0.0675㎥/sec |
流域貯水便益 | 57 | 1,707㎥ (※4) |
水質浄化便益 | 218 | 1,707㎥ (※4) |
山地保全便益(※2) | ||
土砂流出防止便益 | 320 | 55㎥ (※5) |
環境保全便益(※3) | ||
炭素固定便益 | 118 | 21.3 CO2 t (※6) |
令和6年8月27日計算 |
※1 水源かん養便益
森林は、森林内に一時的に水を貯め、森林外にゆっくり流すことにより、河川の流量を平準化し、洪水や渇水の緩和、水質の浄化に役立っています。
※2 山地保全便益
森林は、落ち葉や森林内の植生によって土壌が覆われ、雨水による土壌の浸食や流出を防いでいます。
※3 環境保全便益
森林の樹木は、光合成を行うことにより、大気中の二酸化炭素を吸収して、有機物を生成し、樹木の幹等に貯蔵し、地球温暖化の防止に寄与しています。
※4 2リットル入りペットボトル85万3千本分
※5 10tダンプ10台分
※6 ヒト1人が1年間に排出するCO2 67人分
カナダにおけるニシン漁
世界各地から日本へ数の子が輸入されていますが、その中でも太平洋に面したカナダ西海岸産の数の子は、歯ごたえのあるその食感が日本国内で高い評価を受けています。
カナダ政府漁業管理局では、数の子の親魚となるニシンの資源保護を目的に、徹底した資源管理を行っています。毎年実施される資源調査のもと、推定される総資源量の20%までを漁獲枠として設定します。
毎年春になると漁業管理局では、カナダ西海岸のニシンの生息数を地域ごとに割り出し、漁獲方法(巻き網、刺し網)や地域ごとに漁獲枠を設定します。
また、操業する漁船の数も漁業ライセンス保持者の中で希望を取り、各漁場、漁獲方法により均等に振り分けられます。
ニシンの産卵時期にあたる1~3月にテスト操業を行い、抱卵率(ニシンが抱えている卵の割合)の高いタイミングを見定めて、ニシン漁のオープン日時を決定します。
ニシン漁のオープン時間は漁場や漁獲方法によって厳密に決められており、例えば巻き網漁の場合、短い時で15分足らず、長くても2日間で終わります。この間、操業するすべての漁船に対して、漁獲量のレポートが義務づけられており、予定の漁獲枠に達成した時点で漁場を閉鎖します。なお、2021年度の漁獲枠は10,836トンで、実際の漁獲量は10,244トンでした。
カナダでのニシン漁の歴史は古く、1870年代には商業ニシン漁が行われてきました。1935~70年にはフィッシュミールと魚油の原料として漁獲されていましたが、1971年に初めて数の子を目的としたニシン漁が行われました。
1975年以降、カナダ西海岸産数の子の評価が上がるにつれ価格が急騰し、カナダ水産業界では空前の数の子ブームになりました。
少しでも多くのニシンを漁獲するため、漁業者は漁船、漁具、装置に莫大な投資を始めました。その結果、短時間で多くのニシンを漁獲できるようになりましたが、資源量に大きな影響を及ぼしかねない状況にもつながるため、漁業管理局では、資源を減らさず、かつ有効的なニシン漁を行うため、漁業規則を細かく取り決め慎重な漁獲計画を立案しています。
環境に優しい包装・パッケージへの切り替え
FSC®認証済み資材
FSC認証は、将来も豊かな森が維持できるように管理しているかを証明する制度です。FSC認証製品を使用することは自然の生態系と人々の社会的・経済的な生計手段を守ることにつながります。
バイオマスインキ
バイオマスインキは、植物由来の資源を原料の一部に使用して製造したインキで、原料の植物が成長する過程でCO2を吸収するため、CO2削減に貢献します。また、資源に限りのある石油由来原料の使用量削減にも貢献します。
再生可能エネルギーの取り組み
-
SDGs 目標7
「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」
SDGsの目標7は、全ての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保すること目標としています。
当社では、札幌支社・ほしみ工場の屋上に太陽光パネルを設置し、太陽光による再生可能電力の利用を進め、温室効果ガス削減に積極的に取り組んでいます。
PILLAR02
自発的な
意志に基づいて、
人や社会に貢献
近隣海岸・公園の清掃活動
社会への感謝を少しでも還元したいという思いで活動している海岸・公園清掃ボランティア。この活動をすることで、活発なコミュニケーションが見られ、地域に対する愛着がますます高まったと実感しています。
PILLAR03
社会と
地域コミュニティの
一員として
次世代教育
留萌市内の小中学校の給食に数の子やカズチーなどの当社製品を提供し、さらには、数の子に関する出張授業を実施することで、ニシンや数の子を身近に感じてもらい、地域文化に触れる教育機会を提供しています。「知って・作って・食べる」ことの重要性や喜びを知ってもらうことで、食育推進による食文化の継承、環境教育の推進による次世代育成への貢献ができればと考えます。
日刊留萌2020.11.06 発行
カズノコについて学ぶ
東光小3年生 井原水産の職員が講師
留萌市内の東光小学校(早坂康校長)で4日、留萌の特産品のカズノコについて学習する授業「かずのこマスターになろう」が同校3年松、竹各組の教室で行われた。
総合的な学習の時間の一環として、井原水産株式会社(本社・留萌市、井原慶児社長)の社員3人を講師に迎え、座学形式で授業を実施。午前9時35分から松組、同10時35分から竹組それぞれ24人が参加した。子供たちは20分ほど映像を視聴し、カズノコの名前の由来、ニシンが捕れやすい場所などを勉強した。
このあと、講師から同社の創業年数、従業員数、主力商品といった概要とカズノコが消費者に届けられるまでの流れについて説明を受けた。食卓でよく見る黄色のカズノコが、加工前は茶色であることなどに驚いていた。また、子供たちは「工場で一番時間が掛かる仕事は何か」、「魚が腐らないようにするために工夫していることはあるか」、「留萌はどうしてカズノコが有名なのか」などと気になることを質問。講師が答えると、メモに取るなどして理解を深めていた。(森康太)
TFT、CFTプログラムへの参加
ヘルシーなメニューやドリンクを飲食することで、開発途上国の子どもたちに給食を贈ることができる社会貢献活動『TABLE FOR TWO』『CUP FOR TWO』に参加し、「食を通じて健康に寄与する」という当社理念を体現しています。
社員食堂で週1回程度ヘルシーメニューを提供し、1食当り20円の寄付や、社内に設置した自動販売機において、対象ドリンク1本当りの売上につき10円を寄付しています。気軽に社会貢献ができ、同時に私たちも健康になり、しかも当社理念を体現する。一石三鳥のプログラムとして様々な形で広がっています。
井原水産は、2021年2月にプログラムを導入しました。
現在までの結果をご報告します。
- 社員食堂ヘルシーメニュー
- 合計:16,022食
- 寄付額:320,440円
- 自動販売機 対象ドリンク
- 合計:13,070本
- 寄付額:130,700円
寄付金額合計:451,140円
2024年11月現在
フードロスへの取り組み
端材や副産物にアイデアやデザインなどで付加価値を持たせ、新たな食品に生まれ変わらせる「食のアップサイクル」。アップサイクル食品は、フードロス削減に大きく繋がる取り組みとして期待されています。当社では、規格外品を利用した商品開発に取り組み、そこから様々な商品が誕生しています。
食の分野では、原料調達、製造工程、家庭内調理、喫食など、身近なシーンで「MOTTAINAI(もったいない)」が生まれてしまいます。ロスにつながる食材にひと工夫加えて新たな価値を創る...
私たちはこれからも、
「ロスからおいしいをデザインする」
日々そのような想いで取り組んでいこうと思います。